よく聞く「TOEIC」とはそもそも何でしょうか?英語に関する検定と漠然と思っている方も多いと思いますが、実は、日本の大学生の就職活動に使われるだけでなく、海外でもしっかりと通用する世界基準の英語に関する検定です。
そもそもTOEICとは?
TOEICは、世界160カ国で実施されるグローバルな検定
TOEICは、アメリカの非営利テスト開発機関であるETSによって制作される、英語が母国語ではない方向けの英語能力を測るテストです。
日本では、英語関連の検定として、「英検」でお馴染みの「実用英語技能検定」などがありますが、こちらは日本ローカルの検定となるため、海外での通用力はそれほど高くありません。
しかし、TOEICでは、世界160カ国で実施されているグローバルな検定のため、海外での通用力は抜群と言えます。
TOEICは、スコアで結果が出るため、合否で判断されない
TOEICの主な特徴として、合否が判定されず、試験の点数が、 “スコア” として表されます。
そのため、受験者の英語能力が「どのような位置にあるのか」というのがしっかりと明確になるのが、英検との大きな違いです。
例えば、日本の有名企業の楽天では、新入社員に対して800点の取得を求めています。これも、合否で判断されないことから、楽天がTOEICを英語コミュニケーションの能力を測るために利用しています。
知識・教養目的の英語でなく、日常生活やビジネスで求められる英語の技能を評価
TOEICは、日本の中学校から高校で学ぶ知識・教養目的の英語でなく、実際に、受験者が英語圏で生活したりビジネスをする際に使用する英語の技能を評価します。
そのため、問題は、高校・大学入試の英語試験とは全く異なる傾向の問題が出題されるため、TOEIC受験時にはしっかりとした対策が必須です。
さらには、リスニングは、アメリカ・イギリス・オーストラリア・ニュージーランド、南アフリカなどの英語が話される国のネイティブスピーカーの発音を聞くことになるため、こちらも英検とは違った思考が求められます。
TOEICのテストの種類とは?
TOEICのテストの種類として、「TOEIC® Listening & Reading Test」、「TOEIC® Speaking & Writing Tests」、「TOEIC® Speaking Test」があります。
一般的に、TOEICと言うと、「TOEIC® Listening & Reading Test」が連想されます。楽天など就職活動にて企業が求めるTOEICも、「TOEIC® Listening & Reading Test」となります。
また、この3つのTOEICテストには、企業・団体・学校がテスト実施期間を任意に設定できるIPテストもありますが、こちらも通常のTOEICテスト(公開テスト)と同等と考えても差し支えありません。
TOEIC® Listening & Reading Test
TOEICの代名詞である「TOEIC® Listening & Reading Test」。10〜990点と5点刻みのスコアで評価される検定ですので、合否は決まりません。
「TOEIC® Listening & Reading Test」は、英語学習者すべてが同じ試験を受けるため、初級から上級まで統一した視線で英語能力が判定されます。
社会的な平均点として、大学生は574点、社会人は612点となります。
就職活動の際には、英語を公用語としている楽天では800点と高得点が必要ですが、日本企業では600点があれば問題ないとされます。外資系では最低でも700点の取得が必要です。
問題は、リスニング約45分間とリーディング75分間のテストの2本立てで、マークシート形式です。
TOEIC® Speaking & Writing Tests
一般的にTOEICから連想される「TOEIC® Listening & Reading Test」よりも存在感は低いですが、TOEICにも英語の話す・書くの能力を測る「TOEIC® Speaking & Writing Tests」も展開されています。
こちらは、インターナショナルなビジネスの場での英語コミュニケーションを向上させたい方、「TOEIC® Listening & Reading Test」と組み合わせて、聞く・読む・話す・書くの4技能をしっかりと向上させたい方の受験にベストです。
問題は、スピーキング約20分・ライティング約60分のテストとなり、パソコン・ヘッドセットを使用した試験です。
「TOEIC® Listening & Reading Test」と異なり、200点満点の10点刻みのスコアで評価されます。
TOEIC® Speaking Test
企業に英語でのスピーキング能力を示すのに向いている「TOEIC® Speaking Test」もTOEICシリーズの試験で実施されています。
こちらは、英語のネイティブスピーカー、英語を駆使するノンネイティブスピーカー問わず、自分の話す英語を適切に伝えたい方におすすめの試験です。
「TOEIC® Speaking Test」は、パソコン・ヘッドセットを利用したスピーキング約20分の試験となっており、200点満点の10点刻みのスコアで評価されます。
しかし、「TOEIC® Listening & Reading Test」とは異なり、一般的な知名度が低いため、企業によっては評価の対象になり得ないことも考えられます。
とは言っても、自身のスピーキング能力を客観的に示す指標としては、非常に役立つ試験です。
TOEICの公開テストとIPテストの違いは?
TOEICには、公開テストとIPテストの2種類の実施形式が用意されています。
公開テストとは、イメージするなら、一般的に民間の会議室や大学などの教室を使った試験となります。一方、IPテストは、企業・団体・学校で一括して実施される試験です。
TOEICスコアは、公開テストとIPテストでは同じものとなりますが、IPテストの試験結果も企業に示す英語能力の指標としても利用可能です。
もし、個人でTOEICを受験するなら公開テスト、高校生・大学生などで学校で一括してTOEICを受験するなら、IPテストの受験をおすすめします。
まとめ
TOEICの各種テストは、英語能力の指標を測る基準としても、企業などに示す英語能力の高さとしても非常に有効です。
もちろん、定期的にTOEIC関連テストを受験すれば、自身の英語学習の成果がわかりやすく出るので、転職などにTOEICスコアの提出をしなくても、受験をするのも良い選択肢です。
また、大学生で就職活動にTOEICスコアを提出する場合も、一般的な資格試験と異なり、”一発勝負”ではなく、複数回の受験が可能なので、何度か定期的に受験することもベターです。
もし、IPテストを受験できる環境であれば、IPテスト、そうではない場合は、公開テストとの受験が良い選択肢となります。