ケアマネジャー(ケアマネ)になるためには?必要な「介護支援専門員実務研修受講試験」も解説

ケアマネ

ケアマネジャー(介護支援専門員)は、介護保険において、要介助者が適切なサービスを受けられるように支える専門の相談支援員となります。

ケアマネジャーのイメージ

ケアマネジャーは、直接介護をする訳ではありませんが、ケアプランを作成し、チームケアの中心を担う重要な役割を担います。

高齢化が進む日本では、ケアマネジャーは非常に重要な職種となっています。そのため、福祉や医療で働いている方で、受験資格を満たす方であれば、ケアマネジャーの資格取得を強くおすすめします。

ケアマネジャーになるためには、「介護支援専門員実務研修受講試験」の合格が必要

ケアマネジャーになるためには、「介護支援専門員実務研修受講試験」の合格が必要です。こちらの「介護支援専門員実務研修受講試験」は、国家試験ではなく、地方自治体が行う試験となります。

ただし、合格率が非常に低く、令和3年度(第24回)の試験では、合格率は23.3%となっています。

理由としては、平成30年に実施された受験資格の改訂が挙げられる上、厳しくなった受験資格の下、対象者が実務業務に従事していることが多く、十分な試験対策が難しい方が多いことが考えられるようです。

関係機関としても、ケアマネジャーの質を重視するため、受験資格の改定に至ったようですが、「介護支援専門員実務研修受講試験」の合格のためには、一層の努力が必要となります。

ケアマネジャー試験の受験資格について

ケアマネジャーは介護福祉士などの資格を持っているとすぐに受験可能です

「介護支援専門員実務研修受講試験」を受験するためには、以下の資格を持っていたり、相談援助業務で実務経験を5年以上に加えて、当該業務に従事した日数が900日以上あることが必要です。

  • 法定資格:医師、歯科医師、薬剤師、保健師、助産師、看護師、准看護師、理学療法士、 作業療法士、社会福祉士、介護福祉士、視能訓練士、義肢装具士、歯科衛生士、 言語聴覚士、あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師、柔道整復師、 栄養士、管理栄養士、精神保健福祉士
  • (地域密着型)介護老人福祉施設の生活相談員
  • (介護予防を含む)(地域密着型)特定施設入居者生活介護の生活相談員
  • 介護老人保健施設の支援相談員
  • 障害者総合支援及び児童福祉法における相談支援専門員
  • 生活困窮者自立支援法における主任相談支援員

あくまでもケアマネジャーになるためには、国家資格を保有していても、「介護支援専門員実務研修受講試験」の受験が必要となります。

ケアマネジャーの「介護支援専門員実務研修受講試験」の出題範囲とは?

試験はマークシート形式で行われます

ケアマネジャーの「介護支援専門員実務研修受講試験」の出題範囲としては、2つの分野となります。

  • 介護支援分野
  • 保健医療福祉サービス分野

試験範囲は、介護福祉士の国家試験と比較すると、狭いように見えますが、実際のところ、介護支援専門員実務研修受講試験は、狭く深く問題が出題されます。

介護支援分野では、介護保険法の内容について出題されますが、介護業界で実務経験がないと点数を取るのが難しいと多くの方がしています。

一方、保健医療福祉サービスでは、疾病の予防や高齢者に多い疾患について出題されます。こちらは、介護支援分野と逆に、介護系資格保有者でも難しいとしています。

どちらにしても、点数を稼ぐためには、しっかりとした試験対策が必要と言えます。

「介護支援専門員実務研修受講試験」の合格点は?

「介護支援専門員実務研修受講試験」の合格基準は、全国で以下の通りとなります。

  • 介護支援分野:正答率70%
  • 保健医療福祉サービス分野:正答率70%

ただし、合格基準は試験の難易度によって毎年若干の調整が行われるほか、具体的な合格ラインは受験者への合否通知の際に合わせて通達されます。

しかし、介護支援分野と保健医療福祉サービス分野を合わせて7割取れば合格ではなく、いずれの分野で合格点を取ることが必須です。

「介護支援専門員実務研修受講試験」の合格に必要なことは?

知識の抜けは絶対に避ける

「介護支援専門員実務研修受講試験」では、多数の専門用語の暗記が求められます。さらには、試験全体の難易度が高いこと、合格点が非常に高いことから、試験に出題されれる専門用語は押さえておく必要があります。

さらには、各分野満遍なく試験対策を行った上で、細かい制度の部分などを暗記します。

過去問を繰り返し解くことで、試験の傾向に慣れる

「介護支援専門員実務研修受講試験」では高い読解力とスピードが求められます。

さらに、近年では、いわゆる “ひっかけ” 問題が出題される傾向があるため、選択肢の文章表現の誤読が命取りになってしまいます。

この文章表現を正確に見抜くためには、時間がかかってしまうこともありますので、事前に過去問や模擬試験で、「介護支援専門員実務研修受講試験」の試験傾向に慣れることを強くおすすめします。

もちろん、「過去問アプリ」でスキマ時間を活用して試験の傾向に慣れるのも良いですし、まとまった時間が取れるときには、模擬試験を受験することも良い選択肢です。

簡単な問題を落とさないようにする

「介護支援専門員実務研修受講試験」では難しい問題も多く出題される一方、簡単な問題も存在します。

簡単な問題を確実に押さえておけば、難しい問題を間違えた際にも、保険となり得ます。

そのためには、試験でのケアレスミスを避けることや、試験対策の際には、簡単な問題では絶対に点数を落とさないように配慮するのが重要です。

最新の制度をしっかりと押さえる

「介護支援専門員実務研修受講試験」での介護支援分野では、最新の制度に基づいた内容で出題されます。

過去問では、古い制度の内容で出題されていることもありますので、必ず、最新の制度を把握する必要があります。

特に、介護保険制度が創設された経緯、目的といったバックグラウンドは、少なくとも知っておくべきです。さらには、制度改定の内容も多く問題として出題されますので、ご注意ください。

「介護支援専門員実務研修受講試験」を攻略するならスキマ時間の活用がベスト!

電車の移動時間は勉強するのには有効です

「介護支援専門員実務研修受講試験」を攻略するなら、仕事の休憩時間・通勤の移動時間といったスキマ時間の活用が非常に有効です。

スキマ時間では、紙の参考書を持ち込んで学習することに加えて、スマートフォンで「過去問アプリ」を使った学習も非常に有効です。

やはり、勉強時間は最小限で合格を勝ち取りたいのは誰もが思うことです。そこで、スキマ時間を有効に活用し、自宅での勉強を最小限にすることによって、趣味や休息に充てる時間も増加します。

もちろん、勉強のしすぎで、メンタルを悪くしては意味がありません。適度な息抜きも重要です。

まとめ

仕事と勉強の両立は大変かもしれませんが、試験に合格すると将来的にも役立ちます

「介護支援専門員実務研修受講試験」は、関連資格と比較しても難しい部類に入る試験となります。

実務経験が必要なことから、実際に関連の実務に就いている方の受験も多いです。そのため、仕事などの都合で学習時間がなかなか取れない可能性もあるため、スキマ時間の活用も非常に重要です。

しかし、深く狭く聞かれる試験内容から、介護福祉士などの関連資格とは違った勉強も求められる可能性もあります。そのため、試験対策には、過去問を含めて十分な学習が必要です。

やはり、ケアマネジャーの需要は年々高まっており、存在感が非常に増しています。介護業界で働きたいなら、ケアマネジャーの「介護支援専門員実務研修受講試験」はぜひとも合格したいところです。