社会の宝と言える子供を支える保育士。ご存じのように、保育士は、保育園を中心に活躍の機会が広がる国家資格です。
具体的には、保育士の資格を保有していると、保育園以外の保育施設、ベビーシッター、放課後児童クラブや児童館、児童養護施設、乳児院などでの活躍の機会が広がります。
そのため、子供に関わりたいという方におすすめなのは保育士です。
今回は、保育士の国家資格を取得するのに必要な国家試験について解説します。
保育士試験について
試験のチャンスは1年に2回
保育士試験は、毎年4月(前期)と10月(後期)の年2回の実施です。他の国家試験と異なり、受験のチャンスが多いのが魅力的です。
それぞれ筆記試験と実技試験が実施されるため、いずれの対策も必須となります。
すべての都道府県で受験可能
保育士試験は、すべての都道府県で受験可能です。
県によっては、複数の受験会場を設けていますので、受験しやすい会場を選んで受験可能です。
ただし、筆記試験と実技試験は同じ都道府県でないと受験できませんので、ご注意ください。
筆記試験の科目は複数あります
保育士試験の筆記科目ですが、1分野だけでなく、複数分野から出題されます。
出題科目は以下の通りです。
- 保育原理
- 教育原理
- 社会的擁護
- 子ども家庭福祉
- 社会福祉
- 保育の心理学
- 子どもの保健
- 子どもの食と栄養
- 保育実習理論
筆記試験では、各科目100点満点となっていますが、100点中60点(6割)正答すると合格となります。
しかし、教育原理・社会的養護については、いずれも50点満点で構成されているため、6割の30点正答すると合格となります。
もちろん、保育士試験ではすべての科目の合格が必須となりますが、保育士試験で一部の科目のみ合格した場合は、その後3年間は再受験が免除されます。
実技試験は「音楽表現」「造形表現」「言語表現」の3つの分野より2分野選択
実技試験では、「音楽表現」「造形表現」「言語表現」の3つの分野から2分野を選択します。
こちらも1分野で50点満点となっていますが、30点以上の得点を獲得し、2分野で合計60点得点すると初めて合格となります。
各分野での具体的な出題内容は以下の通り。
- 音楽表現に関する技術:ピアノなどを使用して課題曲を弾き歌います。課題曲は毎年異なりますが、現場で歌われることが多い楽曲が選ばれます。ただ弾き歌うのではなく、アレンジが求められます。
- 造形表現に関する技術:当日発表される課題や条件を元に、45分で人物や情景を描きます。保育現場で想定される技術が求められます。
- 言語表現に関する技術:3歳児クラスの約15人に3分間のお話をすると想定して行われる試験で、与えられた課題から1つを選び、子どもに集中して聞かせる技術を測ります。課題は『ももたろう』などの有名な課題が与えられます。
いずれの実技試験も、試験対策は一朝一夕で身につくものではないので、十分な対策が必要です。さらには、客観性も求められるため、大学や保育士試験対策の予備校やスクールなどで学ぶ必要もあるとも言えます。
もちろん、ピアノを弾くことができなくても、保育士になることは可能ですので、楽器が苦手な方でも問題ありません。
筆記試験対策で必要なことは?
参考書をしっかりとやりこむ
保育士試験では、まず参考書をしっかりとやりこむことが必要です。
参考書は資格試験対策に定評がある「ユーキャン」や「中央法規」のものを選ぶのが初心者には良いと思います。
わからないことは、YouTubeの解説動画を見ることもベター
最近では、保育士試験の対策動画がYouTubeにアップロードされています。
こちらは、もちろん無料で見ることができますので、もし、わからない分野や苦手な分野がある場合、保育士試験対策動画を見てみるのも良いかもしれません。
また、YouTube Premiumに加入していれば、広告もなくなりますので、こちらも加入も検討してみてください。
もちろん、過去問は何度も繰り返して解いてください
保育士試験だけでなく、他の国家試験・大学受験などの試験にも共通することですが、過去問は何度も繰り返して解いてください。
過去問を何度も解くことによって、出題傾向が頭の中でイメージをつかめる上、どの分野が苦手なのかもしっかりと把握できるようになります。
さらには、解答時間の短縮化にも繋がりますし、過去問を解くことは時間の無駄では一切ありません。メリットばかりでデメリットは一切ありません。
実技試験対策で必要なことは?
テキストでしっかりと基本的なことを把握
実技試験では、一朝一夕に合格までの技術を上げることは難しいですが、大学や予備校などで配布されたテキストで基本的に必要な知識を把握してください。それが近道です。
YouTubeで参考動画の視聴もおすすめ
YouTubeには、有志が作成した保育士試験の実技試験向けの対策動画が公開されています。
音楽表現に関する技術では、参考演奏も試聴できるほか、解説動画も無料で見られるため、なるべく保育士試験対策にお金をかけたくない方は、ぜひ見ることをおすすめします。
第三者に客観的に見てもらおうことも重要
実技試験の対策としては、音楽・造形・言語分野にしても、第三者に客観的に見てもらうことも重要です。
やはり、自分自身で完結してしまうと、どこをどう改善すれば良いのかもわかりづらいですし、改善方法も試験合格への道に繋がっているのかもわかりません。
第三者に見てもらうことで、実技試験で改善すべき点が明確となりますし、的確なアドバイスももらえるかもしれません。
実技試験の合格率は非常に高いですが、ここで不合格となってしますと、時間のロスに繋がります。
試験対策は、精神的に無理をしないことも大切
保育士試験は、学業で忙しい大学生や仕事に追われている社会人の方も受けることも多い試験です。
そのため、勉強時間の捻出が難しいことも考えられますが、精神的に無理してまで勉強することはあまりおすすめしません。
試験のプレッシャーがかかるのは誰しも同じですが、勉強の効率が下がってまで追い込むのは、逆効果となり得ます。
やはり、適度に好きなことをする時間を設けて息抜きしたりすることも、試験合格への近道となります。
まとめ
保育士試験は年に2回行われる試験ですが、1回不合格となってしまうと、半年の時間ロスが生じます。そのため、時間が許す限り、試験対策には十分時間をかけておきたいものです。
もちろん、実技試験の対策も必要ですが、どちらにしても、合格の鍵となるのは、筆記試験です。筆記試験を攻略してこそ、保育士試験に合格が可能です!
やはり、過去問もしっかりと対策した上、適度に模擬試験などの受験もご検討ください。実技試験は、第三者に見てもらえるようなサービスも含めて利用してみることをおすすめします。